蕁麻疹(じんましん)

蕁麻疹とは?

蕁麻疹(じんましん)は、一過性に強い痒みと赤み(膨疹)が全身に出現し、数時間で跡かたもなく消えてしまう疾患です。大半は2週間以内で軽快します。しかし、少数の患者様は6週間以上繰り返す慢性蕁麻疹に移行します。膨疹(皮膚の盛り上がり)の大きさは1~2mm程度のものから手足全体位のものまで様々です。また一つ一つの膨疹が融合して体表のほとんどが覆われてしまうこともあります。形も様々で、円形、楕円形、線状、花びら状、地図状などと表現されますが、それら形の違いに本質的な意義はありません。
大抵は痒みを伴いますが、チクチクとした痒みに似た感覚や焼けるような感覚を伴うこともあります。個々の皮疹(ブツブツや赤み)は数十分から数時間以内に消えるのが普通ですが、中には半日から1日くらいまで続くものもあります。症状が激しい場合には次々と新しい皮疹が出没し、常に皮疹が現れているように見えることもあります。 原因の約7割が不明であり、特発性とされています。外来抗原によるアレルギー性は約5%と報告されています。

治療法について

蕁麻疹の治療には主に抗ヒスタミン薬などを用います。薬を内服すれば多くの人は数日で症状が治まりますが、医師の指示に従って飲み続け、徐々に減薬していくことが大切です。
当院では、従来の治療法では十分な効果が得られない12歳以上の慢性特発性蕁麻疹の方に対して、新しい治療薬ゾレアの導入をいたしました。

ゾレアによる蕁麻疹治療について

ゾレアは、製薬会社のノバルティスファーマが製造販売しているお薬です。これまで蕁麻疹の原因を特定する様々な検査を行ったにもかかわらず、原因の特定に至らず、既存の治療によって十分な効果が得られなかった患者さまに対して使用するお薬です。

具体的には、特発性の慢性蕁麻疹の原因の一つと考えられるIgEを抑えます。これにより、蕁麻疹の原因となるヒスタミンの産生を阻害し、アレルギー症状を軽減させる効果が期待できるのです。

  • 今までの治療で効果不十分の場合
  • 12歳以上の方
  • 原因不明の場合
  • ゾレアに対して過敏症の既往がない方

■治療方法、費用等については、製薬会社ノバルティスファーマのHPをご覧ください。