乾癬

乾癬とは

乾癬とは皮膚のターンオーバー(生え変わり)時間が短縮することで多彩な皮膚症状、 時に関節症状や全身症状をきたす炎症性皮膚疾患です。 根本的な原因は未だ不明ですが、遺伝的要因や外傷、 日光、薬剤、感染症、ストレス、肥満、糖尿病や高脂血症、 飲酒や喫煙など様々な要素が関係していると考えられています。 日本人の発症率は約0.1%と言われており、珍しい病気ではありません。 また、他人に感染することもありません。 症状が良くなったり悪くなったりすることが多く、⾧く付き合っていくことになることが多い病気ですが、 新しい薬や治療法が出てきており、症状が落ち着いている方も増えてきています。 症状により尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症の5病型に分けられます。

症 状

尋常性乾癬

尋常性乾癬

境目がはっきりとした湿疹のような発赤から始まり、その後表面にかさぶたが出来ます。 自覚症状は少ないことが多いですが、痒みが出る方もいます。 頭や肘、膝、腰、おしりなど擦れやすい場所に出現しやすいです。

尋常性乾癬

滴状乾癬

滴状乾癬

1cm程度の小さなかさぶたのある発赤が体や手足に多発します。 小児に多く、皮膚症状が広がるのが早いです。

滴状乾癬

膿疱性乾癬

膿疱性乾癬

尋常性乾癬の病変に加えて周囲に膿が出たり、 手のひらや足の裏に膿が出たりする限局型や発熱や全身倦怠感とともに 全身に膿が多発して破れてただれる汎発型のものがあります。 尋常性乾癬から膿疱性乾癬に移行することもあります。 汎発型の場合は難病特定疾患となります。

膿疱性乾癬

関節症性乾癬

関節症性乾癬

乾癬の皮膚症状に加えて指や腰、足の関節痛、関節変形が生じます。 皮膚症状が少ない場合もあります。

関節症性乾癬

乾癬性紅皮症

乾癬性紅皮症

乾癬の皮膚症状が全身に拡がり、強い発赤を伴います。

乾癬性紅皮症

※写真は最新皮膚科学体系より抜粋

検 査

局所麻酔をした上で皮膚の一部を取る検査を行い、顕微鏡で確認し診断を確定します。

治 療

保険診療

保険診療

外用療法

ステロイド剤(アンテベート®など)やビタミンDの外用剤(オキサロール軟膏®など)、 それらの混合剤(ドボベット軟膏®、マーデュオックス軟膏®など)を病変部に塗り治療します。 病変が広範囲の場合、ビタミンDによる高カルシウムの副作用の可能性がありますので、 定期的に採血検査が必要になります。乾癬の基本の治療となります。

内服療法

症状が広範囲に及ぶ場合や外用療法のみでは改善に乏しい場合に ビタミンA誘導体のエトレチナート(チガソン®)、 免疫抑制剤のシクロスポリン(ネオーラル®)の内服薬を併用します。 強力な内服薬ですので、副作用のリスクがあります。 十分に説明を受けた上での使用となります。

以下は総合病院・大学病院での治療となりますので、必要な場合は御紹介となります

光線療法

機械を用いて紫外線(UVAやUVB)を病変部に週1回程度照射します。

生物学的製剤

特殊な注射薬を使って治療を行います。 非常に高額な治療となりますので高額療養費制度の利用が必要となります。 詳細は御紹介先の病院で聞いて頂きます。